脳卒中の後遺症などで麻痺の症状に悩まされているご本人やご家族の方で、リハビリを検討されており、次のような疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
- 麻痺の症状は?
- リハビリの目的や期間は?
- リハビリの改善事例は?
ここでは、麻痺のリハビリについて解説します。
麻痺の症状は?
麻痺とは、神経または筋肉組織の損傷や疾病等により、うまく手足を動かせない状態のことをいいます。中でも、身体の左右どちらかに麻痺の症状が見られる状態のことを片麻痺と言います。片麻痺の原因の多くは脳卒中によるものです。
片麻痺の場合、大脳で損傷を生じた場合には反対側に麻痺が生じます。
右脳が損傷されれば左側の麻痺、左脳では右側に麻痺が生じます。左麻痺と右麻痺の症状はそれぞれ特有の症状があり、麻痺の程度も軽度から重度まで様々です。
▼左麻痺・右麻痺共通の症状
- 片側の手足のしびれ
- 顔半分の麻痺やしびれ
- 視野の欠損
- 構音障害(言葉をうまく発音できなくなる症状)
▼左麻痺特有の症状
- 失認(ある感覚を介して対象物を認知する事が出来ない障害)
- 性格変容(突然性格が変わってしまう)
▼右麻痺特有の症状
- 失行(目的にあった動きがうまくできなくなる症状)
- 失語症(ことばをうまく扱うことができなくなる症状)
麻痺のリハビリの目的や期間は?
麻痺のリハビリの目的は運動機能の回復はもちろん、心理的・社会的な回復も含んでいます。そのためには、家族や周囲のサポートも必要不可欠です。周りと協力しながら、あきらめずに継続して取り組むことが大切です。

脳卒中による麻痺のリハビリは、「急性期」「回復期」「生活期(維持期)」の3つの時期に分けて行われます。時期はあくまで目安ですが、発症から2~4週間までが急性期、3~6ヵ月までが回復期、回復期以降は、生活期(維持期)となります。
急性期のリハビリについて
急性期のリハビリは、発症後2~4週間の間に医療機関で行われます。状態が変化しやすく危険な状態になりやすいため、最優先は生命維持になります。
患者さんの状態に合わせて、立つ、座る、ストレッチなどの離床訓練を早期に行うことで、機能改善がスムーズに進みやすいとされています。
回復期のリハビリについて
回復期のリハビリは、急性期を脱して病態や血圧が安定してきた頃から、発症後3~6ヵ月を目安に行われます。日常生活を行う上で必要な動作が行えるよう、運動機能や嚥下機能、高次脳機能などを改善させるリハビリが中心になります。
たとえば、運動機能の改善のためには、寝返りや立つ、座るなどの基本動作、歩行訓練、手芸や工作、食事やトイレなどを行います。他にも、言語機能の改善のために、発声や口を動かす運動を行うなど、患者さんの状態を見ながらリハビリを行います。
回復期のリハビリは、リハビリ専門の病院へと転院して行う場合が多いです。
生活期(維持期)のリハビリについて
生活期(維持期)のリハビリは、回復期以降、機能低下の防止や体力維持を目的として、自宅やリハビリ施設にて行われます。一度回復した機能も再度低下してしまう恐れがあるため、退院後もリハビリを続けることは大切です。
生活期では、回復期リハビリの継続や、ストレッチ、生活改善などを行います。自宅でリハビリする場合、自宅の段差をなくしたり手すりを用意するなど生活環境を整えておくことで、転倒を予防することができます。
リハビリの改善事例
後遺症は、早期のリハビリによって症状を軽くすることができるとされています。金沢脳梗塞リハビリステーションでも、リハビリによって症状が改善された例があります。
▼N様 女性 70代(脳梗塞、右半身麻痺)
包丁を使うことができませんでしたが、リハビリを受けて野菜を切ることができようになりました。
▼K様 男性 50代(脳出血、右半身麻痺、失語症)
外を歩くことが不安でしたが、今は屋外を装具なしで歩行や階段昇降ができるようになりました。
▼G様 男性 70代(左被殻出血、右半身麻痺)
以前は車椅子への移乗に介助が必要でしたが、今は自分一人でできるようになりました。
麻痺の段階や症状に合ったリハビリを行おう
麻痺のリハビリについて解説しました。
金沢脳梗塞リハビリステーションでは、脳卒中の後遺症による麻痺などにお悩みの方向けに、自費リハビリサービスを提供しています。
リハビリはマンツーマンで1回約120分行います。マンツーマンでリハビリを実施することで、一人ひとりの症状や状態、希望に合わせたリハビリを提案することができます。また、リハビリ終了後ご自宅でできる自主トレーニングについてもアドバイスをさせていただきます。
どんなプログラムか体験したい方や、どこまで改善する見込みがあるか知りたい方は特別プログラム体験から始めてみることをおすすめします。
麻痺でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
※本記事の内容は、医師の診察に代わるものではありません。治療に関しては、必ず主治医の診断を受けてください。
※本記事にて提供する情報は正確であるよう努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。