脳梗塞は知っていても、多発性脳梗塞は聞いたことがない。そんな方も多いかもしれません。
- 多発性脳梗塞とは?
- リハビリの流れは?
- リハビリの改善例は?
多発性脳梗塞になったご本人またはご家族の方で、こうした疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、多発性脳梗塞 後遺症のリハビリについて解説します。
多発性脳梗塞とは?症状は?
多発性脳梗塞は、名称からも想像しやすい通り、脳梗塞の一種です。小さな脳梗塞が複数点在している状態からつけられた名称です。
多くは動脈硬化によって血液の流れが悪くなり、血栓ができることで、脳梗塞が引き起こされます。
また、脳梗塞は、生活習慣病や動脈硬化とのつながりが深い病気です。高血圧、糖尿病、心臓病、高脂血症といった基礎疾患や、肥満、喫煙、過度の飲酒、ストレス、運動不足といった生活習慣など多くの原因があります。また、これらの要因が重なるほど、発症のリスクも高くなります。
脳梗塞は、後遺症が残ることも少なくありません。損傷された脳の部位によって、さまざまな後遺症が起こる可能性があります。
- 運動障害(片麻痺):手足を動かすことが困難になる
- 感覚障害:知覚や感覚に異常をきたし、しびれや感覚過敏、感覚脱失などが起こる
- 構音障害:唇や舌などに麻痺が出てうまく発音できなくなる
- 失語症:ことばをうまく扱うことができなくなる
- 高次機能障害:注意が散漫になる、出来事が覚えられなくなる、感情をコントロールできなくなるなど
- 視野障害:物が二重に見えたり、欠けて見えるなど
- 嚥下障害:食べ物や飲み物をうまく飲み込めなくなる
- 排尿障害:トイレの間隔が短くなったり、トイレに間に合わなくなる
- 神経症状:自発性や意欲の低下が起こる
多発性脳梗塞は、記憶力の低下が特徴的な症状で、認知症にかかるケースが多いようです。
脳梗塞リハビリの重要性は?
脳梗塞の後遺症のリスクを低減させたり、後遺症で障害が残った機能を回復させ、悪くならないように維持するためには、できるだけ早期からリハビリを行うことが大切といわれています。リハビリは脳梗塞発症後の48時間以内に開始するのが理想とされています。
また、リハビリの目的は運動機能の回復だけではなく、心理的・社会的な回復も含んでいます。そのためには、家族や周囲のサポートも必要不可欠です。周りと協力しながら、あきらめずに継続して取り組むことが大切です。
脳梗塞リハビリの方法は3つの時期に分けて行われる

脳梗塞のリハビリは、「急性期」「回復期」「生活期(維持期)」の3つの時期に分けて行われます。時期はあくまで目安ですが、発症から2~4週間までが急性期、3~6ヵ月までが回復期、回復期以降は、生活期(維持期)となります。
急性期のリハビリについて
急性期のリハビリは、発症後2~4週間の間に医療機関で行われます。状態が変化しやすく危険な状態になりやすいため、最優先は生命維持になります。
リハビリは、基本的には発症から48時間以内に開始することが望ましいとされています。寝たきりの状態が長くなると、筋肉が萎縮したり、関節が硬くなるといった廃用症候群に陥る恐れがあるからです。ベッド上でのリハビリが中心ですが、無理のない範囲でベッド周辺でのリハビリを開始します。
患者さんの状態に合わせて、立つ、座る、ストレッチなどの離床訓練を早期に行うことで、機能改善がスムーズに進みやすいとされています。
回復期のリハビリについて
回復期のリハビリは、急性期を脱して病態や血圧が安定してきた頃から、発症後3~6ヵ月を目安に行われます。日常生活を行う上で必要な動作が行えるよう、運動機能や嚥下機能、高次脳機能などを改善させるリハビリが中心になります。
たとえば、運動機能の改善のためには、寝返りや立つ、座るなどの基本動作、歩行訓練、手芸や工作、食事やトイレなどを行います。他にも、言語機能の改善のために、発生や口を動かす運動を行うなど、患者さんの状態を見ながらリハビリを行います。
回復期のリハビリは、リハビリ専門の病院へと転院して行う場合が多いです。
生活期(維持期)のリハビリについて
生活期(維持期)のリハビリは、回復期以降、機能低下の防止や体力維持を目的として、自宅やリハビリ施設にて行われます。一度回復した機能も再度低下してしまう恐れがあるため、退院後もリハビリを続けることは大切です。
生活期では、回復期リハビリの継続や、ストレッチ、生活改善などを行います。自宅でリハビリする場合、自宅の段差をなくしたり手すりを用意するなど生活環境を整えておくことで、転倒を予防することができます。
リハビリの改善事例
後遺症は、早期のリハビリによって症状を軽くすることができるとされています。金沢脳梗塞リハビリステーションでも、リハビリによって症状が改善された例があります。
▼N様 女性 70代(脳梗塞、右半身麻痺)
包丁を使うことができませんでしたが、リハビリを受けて野菜を切ることができようになりました。
▼K様 男性 50代(脳出血、右半身麻痺、失語症)
外を歩くことが不安でしたが、今は屋外を装具なしで歩行や階段昇降ができるようになりました。
▼G様 男性 70代(左被殻出血、右半身麻痺)
以前は車椅子への移乗に介助が必要でしたが、今は自分一人でできるようになりました。
多発性脳梗塞には早期のリハビリが重要
多発性脳梗塞のリハビリについて解説しました。
金沢脳梗塞リハビリステーションでは、脳梗塞の後遺症などにお悩みの方向けに、自費リハビリサービスを提供しています。
リハビリはマンツーマンで1回約120分行います。マンツーマンでリハビリを実施することで、一人ひとりの症状や状態、希望に合わせたリハビリを提案することができます。また、リハビリ終了後ご自宅でできる自主トレーニングについてもアドバイスをさせていただきます。
どんなプログラムか体験したい方や、どこまで改善する見込みがあるか知りたい方は特別プログラム体験から始めてみることをおすすめします。
脳梗塞の後遺症でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
※本記事の内容は、医師の診察に代わるものではありません。治療に関しては、必ず主治医の診断を受けてください。
※本記事にて提供する情報は正確であるよう努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。