アテローム血栓性脳梗塞とは

脳梗塞は、脳の血管が狭まったり、塞がれたりすることで詰まる状態のことをいいます。脳梗塞には3つの種類があり、その中のひとつが「アテローム血栓性脳梗塞」です。
アテロームとは、粥状(じゅくじょう)硬化といって、動脈硬化でおこる血管の変性をさします。アテローム血栓性脳梗塞は、脳の中でも中大動脈と呼ばれる太い動脈がつまることによって発生します。
アテローム血栓性脳梗塞の症状や前兆
アテローム血栓性脳梗塞は、以下のような症状が現れることがあります。
- 身体の半分がしびれたり麻痺する
- ろれつが回らない
- 力が入らなくなる
- 片方の目だけ見えない
- 激しい頭痛が起こる
アテローム血栓性脳梗塞を発症した方のうち、約20〜30%が前兆が一時的に現われると言われており、一過性脳虚血発作と呼ばれています。
また、脳梗塞の前兆としては「FAST」という考え方があります。
>> FASTについてはこちら
アテローム血栓性脳梗塞の原因
一般的には、原因の多くは動脈硬化によるもの。動脈硬化は、高血圧・脂質異常症・糖尿病の3つが三大危険因子と呼ばれています。また、肥満、喫煙、過度の飲酒、ストレス、運動不足といった生活習慣なども原因になりえます。
これらの原因によってプラークと呼ばれるコレストロールなどのかたまりが発生し、プラークによって血液の流れが悪くなることから、血管が塞がってしまいます。
アテローム血栓性脳梗塞の治療
アテローム血栓性脳梗塞の治療は、基本的には薬を使った治療となります。プラークが血管に沈着するのを防ぐため、血栓を溶かす薬を使います。
アテローム血栓性脳梗塞の後遺症
アテローム血栓性脳梗塞を含め、脳卒中は発症後に以下のような後遺症が残ることがあります。
- 運動障害(片麻痺)
- 感覚障害(しびれや感覚過敏)
- 構音障害
- 失語症
- 高次機能障害
- 視野障害
- 嚥下障害
- 排尿障害
- 神経症状
後遺症は、早期のリハビリによって症状を軽くすることができるとされており、改善にはリハビリの実施が大切です。